「キャリア・アンカー」を見つければ就活はブレない
第一志望の会社を決めようと思った時に、自分は、何ができるんだろう、何をしたいんだろう、何をすべきなんだろう、と考えます。Aという会社は憧れの企業だけれども、ライバルも多い。ならば、同じ業種でライバルの少ないBという会社の方がいいのか、Cという会社なら、先輩もたくさん入社しているし、働きやすいと聞いたからそっちの方がいいか、Dだったら、学校で勉強した知識が生かせるのではないか・・・。
いろいろと考えた結果、自分が絶対に譲れないと感じることは“チャレンジ”することだ、と気づきます。つまり、チャレンジというキャリア・アンカーによって、超人気企業のAを第一志望の会社に決める。このように無意識のうちに、わたしたちは、決断しているのです。
徹底的に自己分析する
実は、キャリア・アンカーというのは、20代では、まだ、この3つの要素があいまいで、失敗と成功、いろいろな体験をしながら、30代、40代で徐々に固まってきます。「大人になれば、無意識のうちに、自分ができること、したいこと、やるべきことを悟る」ということです。
「大人になれば、無意識のうちに、自分ができること、したいこと、やるべきことを悟る」のに、なぜ今なのか?
それは今のうちに、「何ができるのか、何をしたいのか、何をすべきなのか」を考えておかなければ、後で必ず迷いが生じてしまうからです。
自己分析をすると「自分ができること、したいこと、やるべきこと」を漠然とイメージできます。ところが、漠然と「できること、やりたいこと、すべきこと」がわかっても、少し時間がたつと、本当にこれでいいのだろうか、もっと別の答えがあるんじゃないだろうかと、結局迷ってしまう・・・。自己分析が中途半端だと、自分の出した答えに自信が持てません。
一方で、順調に就職活動をしているようでも、実は、「就活のようなことをしている」という人も少なくありません。
就活関係のセミナーに参加したり、一応自己分析をしたり、企業の資料集めをして、筆記試験の対策はそこそこやり、エントリーシートもとりあえず何社かは書く・・・というような、「そこそこ」、「とりあえず」など、中途半端な活動で満足してしまっているパターンです。中途半端に活動した結果、とりあえず内定をもらっても、本当にこの仕事したいのだろうかと、後で迷ってしまうのです。
「自分を見つめなおすこと」が自信につながる
そもそもみなさんの、これから先の30年、40年のキャリアプランを考えるのに、たったの半年や1年の間で決めること自体が無理なのですが、就職という、キャリアプランを選んだ以上は、やらなければなりません。
キャリア・アンカーの3つの側面、「自分ができること、したいこと、やるべきこと」に自信を持つためには、徹底的に自己分析すること以外にありません。一般的に自己分析は、中学、高校、大学と自分が打ち込んだことなどをふりかえるわけですが、頑張ったことや成功したことだけでなく、悔しかったことや、本当は思いだしたくもない辛かったことなどもふりかえってください。ふりかえるときには、かならず、「なぜ」とか「どうして」をいっしょに考えてみるとよいでしょう。なぜ頑張れたのか、なぜ成功したのか、どうして悔しいと思ったのか、辛かったことを乗り越えてどんなことに気づいたのか、などを何度も考えていくことで、本当の自分が見えてきます。 そうすると、自分のだした答えに自信が持てる、確信が持てるはずです。
(第6回に続く)
【参考文献】 『Career Anchors and Career Survival』 Edgar.H.Schein
【関係ワード】「若者の未来のキャリアを育むために~若年者キャリア支援政策の展開~」(若年者キャリア支援研究会報告書) 厚生労働省平成15年9月19日
2012.5.18 長野知鶴 (キャリアコンサルタント|人事・人材開発|教育研修|産業カウンセラー)
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